この時期になると、どの大学の建築学科もいたるところで模型を必死に制作している学生さんを見かけます。卒業設計の追い込みの時期ですね。2・3年生が先輩のお手伝いをしている事もあるかと思います。先日出席させていただいた卒業設計審査会にも、プレゼンターである4年生はもちろんのこと、今年非常勤で指導担当していた1年生などの姿もあり、とても熱心で感心しました。
卒業設計の内容はというと、保育園不足の社会背景や、過疎地や第一次産業衰退地域のコミュニティの再構築など昨今(私が学生の頃から取り組まれているテーマもありますが)問題視されている事柄を、丁寧に調査し分析していました。そこから自分なりの言語を用いて建築化していく際に、新しい空間の「価値」や「質」みたいなものを見いだせたり、挑戦できるとさらに面白くなるのではという思いもありましたが、審査会に向かう姿勢や、プレゼンと模型から伝わる熱量はとても熱いものがありました。
卒業設計は建築学科の学生にとってはメインイベントであるかもしれませんが、これからの人生においては一つの通過点なので、結果がどうあれ、完全燃焼することなく今後につなげてもらいたいなと思います。