HARVEY TERRACE MARUNOUCHI

丸の内の積層 ── 都市の粒度に呼応する断片
名古屋市中区丸の内二丁目に建つ、地上5階建てのテナントビルの計画である。敷地周辺は、大規模な官庁建築の匿名性と、細分化された街区に建つ中小規模ビルの個別性が混在する、不連続なスケールが交錯するエリアである。
本計画では、画一的なボリュームとしてのビルディングタイプを避け、各フロアを独立した「箱」として垂直に積み上げる構成を採用した。あたかも積み木を重ねたかのような分節的なファサードは、周囲の巨大な建築群と小規模な建築の間に、新たな中間的スケールを挿入する試みである。この積み木の「ズレ」を活かし、道路側では都市の隙間に呼応する外部空間を配置した。
平面計画は、各階を道路側と敷地奥側の2テナントで構成している。将来的な用途の変化を見据えた柔軟な床を提供しつつ、敷地奥側のテナントには全階にわたって専用のテラスを附設した。特に、3階の奥側テラスは上部を2層分の吹き抜けとして4階テラスと立体的に繋げ、高密度な都市の深部に光と風を呼び込む装置とした。また、最上階となる5階奥側のテナントは、天井高5.4mのダイナミックな気積を確保。上部に配した高窓からは空を切り取るように光を取り込み、周辺のビル群に囲まれながらも、都市の喧騒から切り離された開放的な内部空間を実現している。
前面の全面ガラス開口と各所に配されたテラスは、内部の活動を街へと滲み出させ、画一的なオフィスビルにはない緩やかなインターフェースを創出する。垂直に積層された断片的な空間の連なりは、単なる床面積の集積を超え、都心における新たな建築と都市の応答形式を提示している。
| 所在地:愛知県名古屋市中区 |
| 構造・規模:RC造・5階建て |
| 用途:事務所 |
| 竣工:2025年 |
| 写真:ToLoLo studio |





























