HARVEY 栄EAST
名古屋駅から市内を東西に結ぶ、名古屋一の目抜き通りである広小路通に面する6階建てのテナントビルである。
名古屋市では10万本超の街路樹を管理しており、市域における街路樹密度は政令指定都市の中でトップである。敷地前の広小路通は、道幅が広く枝ぶりの良いイチョウの木が歩道と中央分離帯に植わる並木道で、行き交う人々に豊かな季節感を与えてくれる。
広小路通に面する敷地北側約6.5メートル間口に対し、1/3を避難上有効なバルコニー、残りを庇付きカーテンウォールで構成したファサードとし、内部から街路樹を立体的に楽しめる計画とした。さらにカーテンウォールは繁華街である栄地区方面へ回り込むように配置し、内部からの眺望の獲得と共に歩行者に対するテナントの視認性を高めるショーケースのような建築とした。夕景ではスポットライトにより照らされたショーケースが、街の賑わいに彩を加える。
昼夜ともにウォーカブルなまちづくりに寄与すると共に、都市空間の環境インフラである、街路樹の魅力を再認識できる場となることを期待する。
所在地:愛知県名古屋市中区 |
構造・規模:RC造・6階建て |
用途:事務所 |
竣工:2024年 |
写真:ToLoLo studio |